先日、令和3年度のふるさと納税金額ランキングが発表されました。
全国1位に輝いたのは、なんと北海道 紋別市。
前年度2位からさらにランクアップして堂々の頂点へ。
金額は約153億円。
紋別市は令和4年度一般会計予算額が約292億円ですから、なんと年間予算の半分以上に相当する額が寄付されていることになります。
寄付金は一旦「ふるさと納税基金」に算入されますので、寄付金額がそのまま市の歳入額となっているわけではありませんが、上記グラフのようにふるさと納税が大きく貢献して自主財源比率を引き上げています。
人気の秘訣は海産物。
ホタテ、ズワイガニ、イクラ、数の子、ホッケなどがズラリ。これは敵いませんわ。
ちなみに、3位に根室市、4位に白糠町がランクインし、北海道勢がベスト4のうち3つを独占。
北海道の海の幸、恐るべし!です。
翻って、われらが札幌はどうなんでしょう?
観光で食を謳っているくらいなので、さぞかし健闘しているはず。
と思いきや、11億円余り。ちょっと寂しい感じは否めません。
まあ、ふるさと納税の本来の趣旨が人口が少なく税源も乏しい地方の市町村の活性化でもありますので、札幌のような大都市が張り切りすぎるのも制度の本旨とは違うかもしれません。
実際、政令指定都市の中では健闘している方です。
とはいえ、札幌市とて財政は厳しいわけですし、ふるさと納税の理念の中に「地域間競争の促進」も挙げられているのですから、できる限りうまく制度を活用してほしいところです。
ふるさと納税は本来は、ふるさとなど好きな自治体を応援する仕組みだったのですが、現実には寄付者は自治体を選ぶというよりも返礼品を選んで寄付しているのが実態のようです。
ですから、寄付金額を増やすためには魅力的な返礼品を用意することがカギです。
過当な返礼品競争などが問題視されたりもしていますが、地域が生産品を競い合うこと自体は域内企業等の事業活動を活性化し、経済効果をもたらします。
個人的には地域からどんどんと魅力あるものが生み出され、こういった仕組みを通じて消費が促進されるのは好ましいと思います。
では、札幌市はどのようなものを返礼品として用意しているのでしょう。
人気上位は、ビール、スイーツ、ジンギスカン、etc
まあ、この辺が妥当なところなんでしょうか。
他で目を引くところでは、ウクライナ支援や札幌市政100周年記念日本酒などといったものもあります。
ちなみに、ビールはサッポロビールではなく、アサヒビールです。
ふるさと納税の返礼品は当該市町村内で作られたものでなければなりません。
札幌で飲むサッポロビールは恵庭市で製造されているので、札幌市では返礼品に使えません。
恵庭市の人気No1返礼品になっています。
札幌市だとどのような商品を提供すれば寄付を拡大していけるのでしょう。
現在も旅行クーポンなどを提供しているようですが、単に一般的なクーポンでなく具体的な滞在先や体験、イベントなどを積極的にアピールしても効果があるように思います。
京都市はこの戦略で60億円以上の寄付を集めています。
もし2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致が決定すれば、オリパラ関連のグッズやイベント、ツアーなども検討できるかもしれません。
ただIOC(国際オリンピック委員会)の縛りが厳しいですからどこまで活用できるかは微妙ですけどね。
いずれにしても、いろいろな角度から魅力ある商品やサービスを生み出して、地域経済の活性化と市の財政改善に繋げてほしいと期待します。
ところで、少し前になりますが、今年5月30日の札幌市議会で、今後の雪対策に関して秋元市長が興味深いコメントをされていました。
自民党議員から、今後膨らむことが予想される雪対策予算を確保するために、新たな財源を検討すべきではと問われての一幕。
雪対策事業の財源確保のために新たな手法を検討すべきじゃない?
新たな財源の確保について、受益者負担の在り方なども含めて議論するよ
報道等では全く注目されませんでしたが、慎重な秋元市長にしては珍しいほど踏み込んだコメントだなと感じました。
「受益者負担」のあり方なども含めて議論する。
「受益者負担」とは、ある事業によってメリットが生ずる人がコストを負担するということ。
除排雪の受益者といったら…、
「道路を通る者」。
つまり、市民やその他札幌市の道路を使用する者全般が受益者です。
ということは、秋元市長は「何らかの目的税のようなものを考えて、広く市民みんなに負担していただかないといけないかも!」、と発言されたとボクは解釈します。
個人的にはこの考え方には賛同します。
雪対策費用が膨れ上がっていくことは、昨今の人件費、機材、エネルギー価格の上昇などを見ても避けられないと思います。
当然、雪国では他の地域とは異なるコンセプトで財源を確保しなければならず、目的税などもその一つの手段と考えます。
現在は「パートナーシップ排雪」という、町内会と市で共同で負担する仕組みを長年続けてきていますが、町内会自体が転換期を迎える中で、地域側の金銭負担も作業負担も限界に達し、制度疲労はピークに達しています。
そういう中で、市民全体で広く雪対策コストを負担する新たな税や基金などを検討していくことが避けられない時期に来ているのだと思います。
ボク自身、以前のブログで、今後「観光目的税」を検討するならば、「冬季観光の環境整備」名目で一部除排雪に活用してはどうかという持論を披露させていただきました。
先の市議会での質疑では、観光目的税を将来再度検討するならば冬季観光促進目的で雪対策にも充当できるよう工夫できないかという考えや、ふるさと納税の寄付金額拡大を図り冬期の生活環境改善の財源としてはどうかなどといったことも引き続いて提言されました。
仮に寄付金額を京都並みに拡大出来たら50億円以上の財源が期待できますから、市役所など関係の方々には知恵を絞ってほしいものです。
もし読者の皆様にいいアイデアがありましたら、是非教えてくださいね!
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