「喫茶店」
かつては街のあちらこちらにありましたね。
ボクもずいぶんお世話になりました。
待ち合わせに。
何気ないおしゃべりに。
仕事の打ち合わせに。
もちろん一人でくつろぐために。
学生時代は学校の近くの喫茶店が「たまり場」。
授業をさぼって、○○を吸ったり(もう40年近く前、時効ということで)、ゲームをしたり…。
女の子のことやとりとめのないことをダラダラと話しながら長い時間を過ごしたものです。
そんな「喫茶店」も平成・令和と時代が進む中でずいぶんと少なくなってしまいました。
でも、時代を超えて残っているお店は今でも「オジサンたちの憩いの場」。
近年肩身の狭い喫煙族には貴重な都会のオアシスにもなっているみたいです。
そんな昭和レトロな「喫茶店」がまだまだ札幌にも残っているので、時々レポートしてみたいと思います。
第1回は「珈琲舎パル」(大通西14丁目)です。
「珈琲舎パル」
札幌市中央区南大通西14丁目北日本南大通りビル
「レトロ喫茶といえばここ!」と紹介してくれた友人と待ち合わせでお店のドアを開く。
正面に鎮座するクラシカルな木彫の棚がまず目に飛び込んでくる。
そのまま見上げると重厚な木調の屋根と梁が時代を感じさせる。
「いらっしゃい」と声をかけてくれたママは、先に到着していた友人と話し込んでいた。
ママは元シャンソン歌手で、同じく音楽業界にいた友人のお母さんと活動していたこともあるらしい。
そんなご縁で友人は昔からママに可愛がられているそうだ。
席について改めて店内を見回すと、窓際にピアノとスピーカー。
今でも時々ライブなどに使われるらしい。
昼食を所望すると、今日のランチは「豚丼」。
コロナ以来一人でやっているので、あまりたくさんのメニューはないのとおっしゃる。
豚丼でなければナポリタンが人気だとのこと。
友人もボクも「おいしいわよ💛」という豚丼を素直に注文。
待っている間に改めて店内を見回すと、いかにも常連というような感じのビジネスマンが数人。
ゆっくりとタバコをくゆらしリラックスする姿も。
場所柄お医者さまや弁護士など士業のお客様なんかも多いらしい。
ふと気が付いたが、ずいぶんと鳥の写真が目に付く。
コロナの影響で売り上げが大きく落ち込んだ時、いろいろ悩んで弱気にもなったママ。
でも一緒に気分まで落ち込んじゃいけないと気持ちを奮い立たせて、元々好きだった写真に本格的に取り組もうと思い立ったそうです。
以来、北海道内を回って動物の写真を撮りまくる生活スタイルに。
知床にもちょくちょく通っているとのこと。すごいパワーに頭が下がる。
店内に飾られているワシやミサゴ、フクロウのほかに、ヒグマやキツネ、エゾシカなどなどたくさんの写真を見せていただいた。
常連さんに勧められて、撮った写真をポストカードにして店内で販売もしている。
ボクもヒグマちゃんやキツネちゃんなど何枚か購入し、娘のお土産に。
そんなことをしているうちに豚丼登場。
甘みのあるソースが程よく、快い味わい。
しかし何といっても特筆すべきは、ママがご自身で取ってきたという天然マイタケ。
香りも歯ごたえも最高で凄い存在感。
豚丼というより「キノコ丼」で出してもいいくらい(笑)。
大変おいしくいただきました。
お店の入っているこのビルは札幌オリンピックの頃に建てられたのでかれこれ約50年。
この喫茶店はその頃からあったそうです。
ママは17年前に居ぬきでそのまま購入し、3代目のオーナーとのこと。
ご主人を亡くし、そして息子さんにまで先立たれる波乱の人生を、このお店とともに力強く歩んでこられました。
明るく、前向きで、懐の大きい本当に素敵なママです。
これからも多くの馴染み客に愛されて元気にお店を続けていって欲しいですね。
また寄らせていただきます!
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