町内会の除排雪負担の見直しに一歩前進? 札幌市議会レポート②

大好き札幌
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2月21日(月)札幌市議会令和4年第1回定例会で自民党及び民主市民連合の代表質問が行われました。

その質疑の中で、市民最大の関心事である除排雪に関してと、町内会に関する質疑がありましたので、前後編2回に分けてレポートしています。

前編の除排雪対策に続き、今回は後編、昨今厳しい運営環境にある町内会が抱える課題解決に向けた質疑についてレポートします。

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小竹ともこ議員からの質問

近年、町内会は加入率が低下傾向にあって、会費収入減などでしだいに財政が厳しくなるほか、役員の担い手は不足しその高齢化も進んでいます。
一方で、行政側の財政もひっ迫し、市民自治などの考え方が前面に出て謳われる中で、町内会の役割は重くなる一方です。
そのため多くの町内会が運営難に陥り、中には組織の存続さえ危ぶまれる団体も出てきています。

そのようなことから札幌市では、「町内会の意義や重要性について、改めて考え、市民のみなさんとその想いを共有するため、『町内会に関する条例』について、検討を行う(札幌市ホームページより)」こととし、秋元市長の1期目の公約として、条例の策定が掲げられていました。

しかしながら、この条例検討は4年前の2018年の末に一旦条例素案の作成まで進んだものの、町内会からの異論も多く、議会筋からの賛同も得られなかったことなどから、議会に上程されることなく再検討することとなりました。

秋元市政2期目に入り、改めて町内会など地域の声を丁寧に聞き、条例のあり方を再検討することとなっていましたが、新型コロナの影響で町内会との意見交換などがなかなか進まず、市としても苦慮していました。
そしてようやく2021年に入って、コロナが若干落ち着いた期間中に町内会との意見交換を十区全てにおいて行い、今般なんとか条例の方向性についてまとまったところです。
この方向性をもとに、再度町内会などと広く話し合いながら、年内に条例素案が作成されていくことになるそうです。

この条例策定に関しても、自民党・小竹ともこ議員(豊平区選出)より、町内会の負担を軽減し課題を解決していくための重要な視点について質問がなされました。

小竹ともこ 札幌市議会議員
やさしさと情熱を市政に!豊平区から札幌を元気に!札幌市議会議員「豊平区」小竹ともこオフィシャルWEBサイト

小竹議員は、「日ごろ町内会から『市が色々なことを町内会に負担を求めてくるので、対応しきれない』『本来は行政が担ってもいいようなことまで町内会の役割として投げてくる』というような不満の声を少なからず耳にする」としたうえで、特に町内会から悲鳴が上がっているのが地域の除排雪であって、今年は記録的な豪雪もあって不満が上がっていると指摘。
札幌市では公道である「市道」の除排雪までもが地域の役割と位置付けられており、一定幅以下の生活道路の除排雪は原則地域が担い、パートナーシップ排雪も市が町内会を「支援」するという建前になっているということは、少なくない住民にとって違和感があるとしました。

ボクのブログでも先日、除排雪が町内会にとっていかに負担になっているかについて紹介し、町内会自身でもでき得る「奇策」についても提言していますので、よろしければ参考までにご覧ください。

小竹議員は、町内会に委ねられている多くの事業のうちには、本来は地域ではなく行政が行うべきサービスではないかとも考えられ得るものもあり、その中には、町内会が主となって担う体制に限界が訪れつつあるものもあるとし、「今回市が実施した地域との意見交換会に対する意見の中にも、『町内会・自治会に“行政部門”のような過剰な期待をすべきでない』というような声もあった」と紹介。

その上で、「今回検討を進めている町内会条例と支援策を通じて本当に町内会の負担軽減を目指すのであれば、パートナーシップ排雪制度などの様々な事業を進めるにあたり、市が担うべき部分と町内会が担うべき部分を改めて精査し、地域の納得感を得たうえで進めていくことが必要」だとして、「このような検討ができる仕組みを条文に盛り込むべき」と市長の見解を質しました。

秋元克広市長の答弁

これに対し、秋元市長からは概ね以下のような答弁がありました。

  • 条例素案と支援策の案を検討するうえでは、地域の声を丁寧に聞き議論を深めながら進めることが重要。
  • 今後も意見交換会等での意見も踏まえ、町内会の負担感の軽減や役割分担について納得感を得られるようなあり方を検討する。
  • こういった検討を進めるための庁内横断的な推進体制の整備について条文に盛り込むことを想定。

町内会に鬱積する負担感の軽減や町内会と行政の役割分担などについても、地域の納得感が得られるように検討していくこと、そしてそれを検討する庁内横断的な体制を整備することを条文に盛り込んでいくということなので、長く町内会を縛ってきた「往年の前提」そのものの見直しが可能になりそうです。

この条例が条例案として上程されるのは、令和4年度の後半になる見込みということですので、条文検討と並行して、町内会の負担軽減が急がれるテーマについては具体的に検討を進めて欲しいなと思います。

特に、今年の記録的豪雪により地域からも悲鳴が上がっている除排雪については、パートナーシップ排雪のあり方の見直しなども含めて、地域の実情に則した検討を速やかに進めていただきたいです。
この条例検討が、来冬の地域の除排雪負担の軽減につながることを期待したいと思います。

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