成人の日 札幌市中央区の成人式は祝賀コンサートが凄かった

大好き札幌
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1月9日、札幌市中央区の成人式が開催され、ボクも参加させていただきました。
まさか成人を迎えたわけでも、子どもが出席するわけでもないのですが、一応関係者みたいな扱いということで。

今年は札幌市全体で17,897人、中央区では2,078人が新成人となります。
昨年の成人式は新型コロナの感染拡大のために中止となりましたが、今年は関係者の方々の思いとご努力のおかげで2年ぶりに開催の運びとなりました。

華やかに着飾った女の子たちや、楽しそうに仲間と写真を撮っている新成人の姿を見ると、開催できて本当によかったなと改めて思いました。

会場は札幌コンサートホール Kitara
札幌の方には今さら説明の必要もないかもしれませんが、札幌が世界に誇る、国際的にも最高レベルの評価を受けているコンサートホールです。

会場に掲げられた立て看板を見ると、まず「おっ!?」という感じ。
「中央区成人式と祝賀コンサート」
Kitaraでの成人式にふさわしいタイトルが。
「もしかして…」と期待を膨らませて会場に入ります。

楽屋側からの関係者入り口を入ると、「やはり!」
オーケストラの方々が準備の真っ最中。
メンバーを見ると、見覚えのあるお顔もちらほらと。
そうです。われらが札幌交響楽団(札響)が祝賀コンサートに出演するのです。

なんという、ラッキーか。
いつもお金を払って見に行っている札響の演奏をKitaraでタダで聴けるなんて!
新成人たちよ。君らもツイてるぞ!

オープニングは札響の演奏による「君が代」。
感染対策のため、「国歌斉唱」はせずに「国歌清聴」。
いやはや、これがかえって素晴らしい!
フルオーケストラの君が代は、下手に唄うよりじっくり聴き入る方がよっぽど良い。
思わず涙が出るほどの荘厳さでした。

この感激の余韻の中、来賓紹介や主催者の挨拶と続き、新成人からのメッセージ。
男女一人ずつの代表が、新成人としての思いと決意、そして感謝を表します。
手話通訳を加えているあたりも、配慮が感じられます。
かつては男女数名ずつの代表者が壇上に登っていたのですが、今年は感染対策なのか男女一人ずつの2名。
でも、たくさんの人が次々と少しずつ話すのよりも、一人がじっくりと話す方が聞きごたえがあるようにも思えました。

最後に中央区長からの祝辞があって、ここまでで前半の「式典」は終了。

すぐに引き続いて「祝賀コンサート」。
君が代演奏のあと、式典中一旦降壇していた札響のメンバーが再度入場。

指揮を執るのは松本 宗利音(まつもと しゅうりひと)さん。
近年注目が集まる期待の若手指揮者です。
2019年からは札響の指揮者も務めています。

この日の選曲は、クラシックに馴染みのない人でも耳にしたことがあるような親しみやすい曲ばかり。

まずオープニングは、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕への前奏曲
祝典にふさわしい、華やかでゴージャスなお馴染みの一曲です。

ゴージャスに盛り上がった後の2曲目は、ロンドンデリーの歌
イギリスのロンドンでもインドのデリーでもありません。
ロンドンデリーです。
北アイルランド第2の都市、といっても人口10万人足らずの静かな港町です。
(さもよく知っているかのように書いてますが、行ったこともありません…)
アイルランドの人にとって「故郷の歌」といえる曲で、指揮者の松本さんからの「ふるさと札幌をいつまでも思ってほしい」というような言葉とともに、この曲が新成人に送られました。
曲名はあまり馴染みがないかもしれませんが、聞いたら「あぁ、あの曲か!」とすぐわかるくらいよく耳にする曲です。

続いて、ヨハン・シュトラウス2世のトリッチ・トラッチ・ポルカ
元旦のウィーンフィル ニューイヤーコンサートなどでも定番のお馴染みの一曲です。
郷愁漂う全曲から一転して、明るく楽しい雰囲気に。

そして最後の曲は、エルガーの威風堂々
言わずと知れた、イギリスの愛国歌です(国歌ではありません)。
イギリスの人たちにとっては国家よりも馴染みがある国民的愛唱歌。
何かといえばビール片手にこの歌を歌ってしまいます。
もちろんイギリス人だけでなく、今や世界中で親しまれているお決まりの一曲です。

ここまで聞いて感じたのは、「ふるさと」に関連する曲が選ばれていること。
2曲目のロンドンデリーの歌、4曲目の威風堂々ともに、その国の人にとって国歌のように愛されている曲。
札響の皆さんの、新成人への強いメッセージを感じを感じます。
是非とも、これからの長い人生の中で「ふるさと札幌」を心の拠り所に、そして誇りにして、力強く歩んでいって欲しいと思います。

そして、プログラム上はこれでおしまいだったのですが、最後にアンコールのプレゼントが。
ヨハン・シュトラウス1世のラデツキー行進曲
先述のウィーンフィル ニューイヤーコンサート で毎年最後のアンコール曲となる締めの定番です。
この曲もオーストリアの人たちにとっては愛国歌。
華やかで勇壮な中にも、故郷への誇りを改めて込めたフィナーレでした。

中央区の成人式がKitaraで行われたのも、そこで札響が演奏するのもおそらく初めてだと思います。
ボクも何度か成人式にお邪魔してますが、はっきり言ってこれまでで最高の成人式でした。
(もちろん、個人的な嗜好があってのことなのは百も承知)
参加した多くの方も異口同音に素晴らしい成人式だったと言ってました。

お祝いされる新成人の皆さんにとってはどうだったのでしょう?
感激した人もいるでしょう。
クラシックなんかつまらなかったという方もいるでしょう。
でも、時々会場の彼らの方に目をやると、とてもいい雰囲気で演奏に耳を傾けていたように思えました。

Kitaraと札響。
この札幌が誇る札幌の至宝のもとで祝われた祝典。
コロナという未曽有の混乱の中で、関係者の方々が懸命に企画し実現してくれた祝典。
これらのことをしっかりと受け止めて、それぞれの未来を切り拓いていって欲しいです。
いつの日か、素晴らしいプレゼントだったと思う日が彼らにきっと訪れる。

そう確信して、そして来年以降もここでやれたらいいのになぁと勝手に期待して、素晴らしい余韻とともにKitaraを後にしました

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