先週、家族揃って鑑賞した札響の第638回定期演奏会を紹介しました。
その中でも触れましたが、我が家では下の子が今年小学校に上がったのを契機に、定期的に札響のコンサートに行くことを家族イベントにしました。
今回は、今年行った過去2回の札響定期演奏会の鑑賞記を紹介します。
第635回定期演奏会(3月6日)
今年3月6日の第635回定期演奏会が家族4人一緒での演奏会鑑賞デビュー。
お目当てはチェロの宮田 大さん。
うちの子どもたちは二人とも小さい時からチェロを習っていて、宮田大さんのお父上で同じくチェリストの宮田 豊さんに一度指導を受けたこともあって、大さんの大ファン。
その大さんが札幌に来るとあっては何としても行かねばならぬ、ということで家族全員での演奏会デビューとなりました。
メインの曲目は、尾高 惇忠 作曲「チェロ協奏曲」。なんと世界初演となる演奏です。
それを指揮するのが、実弟の尾高 忠明さん。今さら説明するまでもない現在日本で最も人気の高い第一人者です。
曲の完成は2017年。惇忠さんご自身が初演の指揮は弟に、チェロは宮田大 君にと心に決めて、ようやく初演となった記念すべき演奏会でした。
当日のプログラムには、作曲家ご本人のプログラムノートが寄稿されており、惇忠さんがどれほど楽しみにしていたのかが伺い知れます…、が、
尾崎惇忠さんは演奏会直前の2月16日に、楽しみにしていた初演を聴くことなくご逝去されました。
そういった背景もあって、当日の弟 忠明さんの指揮、宮田大さんのチェロ、ともに何とも言えない鬼気迫るものでした。少々緊張気味にも感じましたが、とっても熱い熱い演奏。
演奏後二人がグータッチを交わす姿を見て、こちらも目頭が熱くなりました。
ちなみに尾高惇忠・忠明兄弟は、ことにNHK大河ドラマ「晴天を衝け」に登場する尾高 惇忠の曾孫にあたります。お兄さんはひいおじいさんと同じお名前をいただいたのですね。
第637回定期演奏会(5月8日)
5月の定期演奏会の指揮者は広上 淳一さん。
いま日本で最も脂が乗っているボクも大好きな人気指揮者です。
ゲスト ヴァイオリニストは神尾 真由子さん。
2007年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝(日本人としては二人目)し、「聞くものを魅了する若手演奏家」「輝くばかりの才能」と世界で絶賛されている、いま日本で最も輝いているヴァイオリニストです。
これがまたとっても美しい方で、天は音楽の才能も美貌も二物でも何物でも与えちゃうんですね。
広上さんは小柄でコロッとした愛すべき体型。
ですが、全身をダイナミックに使って指揮台の上を所狭しとばかりに躍動する姿は圧巻です。
本当に楽しそうに体を動かして演奏者を乗せて、聴衆をどんどんと引き込んでいきます。
「音楽ってこんなに楽しんだよ!」と全身から語り掛けてくれるような演奏でした。
後半の曲目はリムスキー=コルサコフ「シェエラザード」。ボクが最も好きな曲の一つです。
広上さんが全身で表現し、札響がそれに応えて描き出す「アラビアン・ナイト」の世界は”ブラボー!”の一言でした。コロナ対策で叫べないのが残念でしたが。
時はまさに翌週から札幌に「まん延防止等重点措置」が取られるという不安と緊迫した空気に満ちていた時期でしたが、広上さんの明るさあふれる演奏に勇気をいただけた夜でした。
後半シーズンは札響がKitaraに帰ってくる!
札響定期演奏会は年間8回のプログラム。会場は本来は「札幌コンサートホールkitara」ですが、今シーズンは改修工事のため前半4プログラムは「札幌文化芸術劇場hitaru」で開催されています。
次回7月まではhitaruでの開催で、9月からの後半シーズンはkitaraに帰ってきます。
個人的にはkitaraの方が音響も会場の雰囲気や環境も圧倒的に上だと思っているので、今から後半シーズンが楽しみです。
7月23日からは札幌が世界に誇る「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」がコロナを乗り越えて2年ぶりに開催されます。
是非PMFにも足を運んでいただき、応援していただければうれしいです。
きっと素敵な夏の風物詩として札幌の夏を楽しいものにしてくれるはずです。
コロナを乗り越えて開催される今年の特別なPMFについては、以前のブログでも紹介しましたので、こちらもご覧ください。
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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