いよいよ明日から12月。
いつもより雪が遅い札幌ですが、11月最終日の今日は朝から雪模様。
いよいよ冬将軍の到来も間近です。
過去を思い返すと、雪が遅い年はその反動かドカ雪に悩まされることが多いような気がします。
この冬も覚悟が必要かもしれません。
このブログでも4回にわたって、「豪雪の札幌で考える」と題して雪対策に関する私案などを紹介させていただきました。
昨冬の大雪による混乱を受けて、札幌市は今年度新たに「大雪時の対策」をまとめ、大雪時の対応を刷新しましたので、簡単にご紹介したいと思います。
Contents
札幌市緊急除排雪実施本部・札幌市雪害対策本部の新設
昨冬は降雪量もさることながら、一度に大量の「ドカ雪」が降ったことで除排雪作業が追い付かず、札幌市は対応が後手に回ったという批判を受けました。
その一つの要因として、地域防災計画に定めている災害級の大雪の際に緊急対策本部を設置できる要件のハードルが高すぎて、緊急の体制を組むのが遅れたことが挙げられます。
そのため、札幌市では今年度から雪害と想定される要件を緩和して2段階体制とし、これまでよりも速やかに大雪に対応できるように改善を図りました。
組織名 | 本部長 | 設置基準 |
緊急除排雪実施本部 | 副市長 | 雪害の防止又は解消に向けて道路除排雪作業が必要になった場合 |
雪害対策本部 | 市長 | 市民生活への甚大な影響や被害が発生しまたは発生する恐れがある場合にあって、 緊急除排雪実施本部の関係部局に留まらない組織的な応急対策が必要な場合 |
これらの組織をこれまでより速やかに設置できるようにするとともに、北海道や国(北海道開発局、自衛隊など)とも連携・協力体制を強化しました。
大雪のレベルに応じた3段階の対応
「札幌緊急除排雪実施本部」が設置された段階で、大雪の状況に応じた「フェーズ」を3段階に分け、フェーズ毎の対策を実施します。
フェーズ1(運搬排雪の前倒しと強化)
<判断の目安>
①積雪深が50㎝程度に達した、又は、
②週間予報等から50㎝程度に達する見込み、
であって、1か月予報でさらに大雪が見込まれる場合
<対策>
「大雪に備えた早期対応・作業強化」
○幹線道路の運搬排雪の前倒し
○道路脇の雪山を全て排雪
フェーズ2(応援等による体制強化)
<判断の目安>
一部の区において、作業進捗又は気象状況等から、パートナーシップ排雪の着手又は完了が例年より遅れることが見込まれる場合
<対策>
「局地的な大雪に対応する応援等による体制強化」
○担当エリアの運搬排雪が完了した事業者による、他地域への応援の実施
○関係団体への応援要請
フェーズ3(生活道路の緊急排雪)
<判断の目安>
半数以上の区において、パートナシップ排雪の遅れが見込まれる場合
<対策>
「全市的な大雪に対応する生活道路の緊急排雪」
○パートナシップ排雪を中止し、生活道路を「幹」と「枝」の路線に分けて緊急排雪を実施
○市民助成トラック制度の申請団体は、希望により制度利用を中止し、緊急排雪に移行が可能
○関係機関・団体などによる応援の実施
<想定される効果>
○全市的な生活道路の路面状況改善
○緊急車両やごみ収集車両などの走行確保
従来の対策との大きな変更点としては、
①大雪が想定される場合の作業の「前倒し」を速やかに行うようになったこと
②除排雪作業の担当エリアや区を横断した対応が可能になったこと
③最悪の場合、パートナーシップ排雪を全市的に中止し、市が生活道路の緊急排雪に取り掛かること
が挙げられますね。
とりあえず、新たな対策と体制は出来上がりました。
あとは、これらが円滑に混乱なく運用されることを望みたいですね。
新しい「大雪への対応」について詳しくお知りになりたい方は、こちらの札幌市のホームページをご覧ください。
雪堆積場の新規拡充
新たな緊急対応策が運用開始されることになりましたが、これらが円滑に機能するための前提として、「雪堆積場」いわゆる雪捨て場が拡充されなくてはなりません。
どんなに素晴らしい計画も、捨てる場所がなければ絵に描いた餅です。
さらに、近年は雪捨て場が遠くなってきていることも大きな問題で、これにより排雪作業の効率が一昔前より著しく低下しています。
ボクは以前のブログでもこのことを指摘し、豊平川河川敷など市の中心部に近いところに雪堆積場を復活させるべきだと提言しました。
市議会でも昨冬の大雪を受けてこういった議論が活発化されました。
こういったこともあってか、札幌市では、今年度新たに新規の雪堆積場を5か所開設することになりました。
さらに、そのうちの3か所が豊平川河川敷に開設されることとなり、中心部の排雪作業効率が改善することが期待されます。
もちろん、雪は自然のことであり、これらの対策を上回る豪雪があるかもしれません。
雪国に暮らす私たちに取って避けることができない宿命ですから、行政や事業者のたゆまぬ努力に期待をしつつも、私たち一人一人が自分たちのできることをやりながら、自然の驚異と戦っていかなくてはならないですね。
皆さん、心の準備はできてますか?
この冬も元気に乗り切りましょう!!
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